現在私の母は、キルトでベッドカバーを作っている。生け花にフラワーアレンジメント、料理にトールペイント、そしてキルトと、ちょこちょこ色んな趣味や習い事に夢中になっていて、特にこれからの季節は、こたつにでも入りながらチクチクと気長にできるキルトの出番が多いよう。
私はキルトは、正直そんなに好きではない。でも先日帰った際、「今これ作ってるの」と見せてくれた、まだしつけ糸のついたこのベッドカバーはなんだか妙に、興味をそそられた。
どれどれ、と、近くで柄を見てみると、
果物やお花といったスタンダードなものから、
出ましたファンシーな動物柄、
その傍らでツモリチサトにありそうな花柄や、
ビビッドな花柄という、私も好きな範疇の柄も発見。
テイストも柄もよく見るとバラバラなんだけれど、だからこそこれだけ集合すると存在感が出る。考えたら今まで見た作品たちは、同系色だったり似た柄の寄せ集めだったりと、「なんだか本当に端布で作ったみたい」とピンとこないものが多かった。配列は自分で決めるのだそうだが、布はあらかじめ先生がセレクトしてくれるそうで、「だから通う先生によって、全然違うのよー」と母。なるほど、AKB48を秋元康がプロデュースするような感じだねなんて、若干飛躍した考えが頭をよぎる。
母の説明にも熱が入り、「それでね、あとは縁の布をどうするかなんだけど」とカバーをふわっとさせると、一角が折れたままで広がらない。ソファの脚にでも引っかかってるのかなとめくってみると……
ももです。いつの間にか、うれしそうに暖を取っています。さすが猫、こういうふわっとした布に目がない。
そういえば最近のもも(メス)のブームはこちら。
キルトの袋(これは買った物)に入って、じっとしています。「なにやってるの?」と母にたずねると、「揺らしてくれって言ってるのよ」と。以前、洗い上がった洗濯物を入れるカゴにももが入って、ふざけ半分に母がブランコのようにそのもも入りカゴをぶらんぶらんと揺らしてやったらももがハマり、それ以来、人力ブランコがブームなのだとか。
時には持ち手をおもむろに嗅いでみたり、
しれっと佇んでみたりしているけれども、要は「やってくれるまでここを出ないわよ」の意思表示のよう。
ならばと。私は持ち手を持ち、中腰に屈みながら左右にぶらぁん、ぶらぁんと揺らしてあげました。我が家の猫同様、小でぶで同じく5キロ。5キロの米袋を中腰でぶらぶらと揺らすのをご想像あれ。けっこう足腰に、ダメージあります。
はぁ重いなぁもも、なんて言いながらブランコを終了して床に置くと、
「もっとやってよ」
バッグの底に伏せてバランスを取ったまま、甘えて懇願するこの顔。
いつしかキルトのことも忘れて私は、ぶらぁん、ぶらぁんと5キロのバッグを揺らし続けたのでした。
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