日本において、フレグランスをつけている男性ってどうも敬遠されがち。格好いいなあ良い香りだなあと思ったとしても、香りの放つイメージや、その人のキャラクター、ファッション次第ではとてつもなく遊んでる人に見えてしまうこともしばしば。そういうリスクをかいくぐり、嫌みなく香りを纏えるのって、なかなかのおしゃれ達人じゃないと難しいのではと思う。
10月15日に発売されたこのケンゾー オム オーデトワレ ボワゼは、そうした香水に不慣れな世の日本男子にも使いこなしやすい香りなのではと私は思う。香調はアロマティック ウッディー。スプレーした瞬間はバジル、ミント、ローズマリーのグリーンでいかにもメンズらしい、ちょっとスパイシーな色気のある香りなのだけれども、数分もするとセクシーさがすぅっとクールダウンして、アトラスシダー、ベチバー、ブラックペッパーの、色っぽくありつつも、落ち着いた、包み込むような知性派の男性像へと変化。さらに1時間もすると、まろやかなウッディーの中にブラックペッパーがふんわり香って、どこか憎めない少年ぽさすら感じる。この香りとすれ違ったら、「遊んでるなぁこの人」でなく、「気が利いてるなぁ」とか「格好いいなぁ」と自然に思える雰囲気。たとえばレディファーストな振る舞いも、口説くためのものとエチケットのものと微妙に違うように、この香りは、色っぽくあるのにどこかきちんとしていて、クセがなくて安心感が持てる雰囲気がある。
竹が空へ向かってすっと伸びる様子を表現した、深い茶色のバンブーのボトルも格好いい。竹のようなみずみずしさとすっきり感も確かにあるけど、そこまで和風とかアジアンな感じじゃないのも、使う人や場所、ファッションをそう限定しなくていい気がする。30mlと50mlがあり各5,250円、6,825円(税込)。ちょっとした彼へのプレゼントにもちょうどいいお値段です。
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